ツボ押しで腸を刺激して快便にしよう
毎日便が出ていても、必要な栄養が体に吸収されないまま出てしまう軟便だったり、溜まっていた古い便=宿便が出ているときもあります。これらの症状を解消するには、腸の働きを刺激して、リズミカルに便を押し出す力を取り戻すことが必要です。また、全身の代謝を良くすることも、腸の活動を正常にすることに役立ちます。
東洋医学の『ツボ』では、そのコツを知れば、自分で簡単に不快な症状を改善していくことができるといいます。便秘もそうです。
人間の体には1,000個近くのツボがあって、それぞれのツボを指圧したり、お灸をすえることで特有の病気に効果的であるということは、よく知られています。
『ツボ』というのは簡単にいうと、血液など体液の総称である血(ケツ)と、血の運行をつかさどる気(キ)の両方の出発点、通過点、到着点のことです。 血と気、両方の不調和と過不足が病気の原因とされ、ツボを刺激することで、乱れを調整するというわけです。
とはいえ、体中にあるツボのどれを刺激すれば便秘解消に効くのか、素人にはなかなかわからないものです。
おなかの新陳代謝をよくする温風刺激
ツボを押す前に、まず、おなか全体をドライヤーの温風で温めてみましょう。熱いと感じたらドライヤーを体から離し、それからまた温風をおなか全体に当てます。これを、7回繰り返します。
こうすることにより臓器の新陳代謝がよくなり、オナラが出たり、おなかが鳴ったりして、便意が促されます。
それでは便秘を改善するためのツボを紹介していきます。
便秘解消に最適なツボは人差し指のつけ根。朝食後におこなうのが良い
便秘解消にもっとも効果が高いツボは、第二二間(だいにじかん)というツボで、左右の手の人差し指の中指側のつけ根にあります。この第二二間は、脳の排泄機能を刺激し、排便中枢をコントロールするツボなので、便秘解消には最適です。
第二二間のツボを刺激する時間はいつが良いかというと、それはズバリ朝食後です。これは、排便の時間を定めるためで、押してすぐに便意をもよおしてもトイレに行ける時間に行うと良いです。
左右の手の第二二間のツボを押してみて、痛いと感じるほうの手から始めましょう。ツボは、反対の手の親指と人差し指で挟んでもむように押します。回数は100回ぐらい、時間にすると1分ぐらいです。続いて、もう片方の手のツボを同じようにもみ押しします。
これを毎朝続けると、一週間~10日ほどで便秘が改善されてきます。
このほか、手のひらの薬指の第一関節のあたりにある「大腸」(だいちょう)というツボや、手のひらの小指の下のほうの手首のつけ根のあたりにある、「神門」(しんもん)というツボも便秘解消に効果的です。
そして、このツボ療法をさらに効果的にするのは、食事の時によく噛んで食べることです。理想は、ひと口入れたら50回よく噛んで食べましょう。便の質が良くなったり、排便がスムーズになります。
また、おへその横に「大横」(だいおう)と「天枢」(てんすう)という、2つのツボがあります。このツボも便秘を改善するためのツボです。
この2つのツボは、おへその横のラインにそって直線上に並んでいます。「大横」は、おへそから約指4本分のところ、「天枢」は、おへそと大横の中間のやや外よりにあります。どちらのツボも腸を刺激して、本来の力を取り戻し、便を押し出す力を助ける働きがあります。
押すときは、おへそから脇腹の方へ外に向かって押していきます。親指か人差し指を使い、左右同時にリズミカルに押しましょう。
規則正しい生活とツボ刺激で気分もおなかもスッキリ
環境が変化することによって、生活のリズムが変わったり、知らず知らずのうちに溜まったストレスが原因となり、春は便秘になりやすい季節です。
そんな便秘を解消するには、規則正しい生活を心がけて、毎朝トイレタイムをしっかり確保することが大切です。そして、食事の面では食物繊維や水分をしっかりとること、ある程度は体を動かすことも忘れないようにしましょう。
便秘のほかに、お腹が張ったりゲップが出たり、気分がイライラしたり落ち込んだりすることがある人にもツボ刺激がおすすめです。たとえば、ひざ下の外側にある「陽陵泉」(ようりょうせん)や、腕にある「支溝」(しこう)というツボを刺激すると、気の滞りが改善されます。
ストレスが溜まったら、リラックスすることを心がけ、ストレスも便秘も解消しましょう。リラックスのしかたはさまざまですが、リラックスして便秘解消も参考にどうぞ。
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