便秘の種類 原因 を徹底解説 【弛緩性・痙攣性・直腸性・器質性】タイプ別の治し方・解消法の紹介です。
便秘になる人は多いのですが、自分のどのタイプの便秘かわかっていない場合も多々あります。便秘は、その原因やメカニズムによっていくつかの種類に分類されます。特にご「弛緩性」「痙攣性」「直腸性」は機能性便秘と呼ばれる最も一般的なタイプに含まれ、「器質性」は別の重要なタイプです。
あなたの便秘はどのタイプ? 便秘の種類 を知る
ひとくちに 便秘 といっても、さまざまなタイプがあります。 便秘 の大半は、命には別状のない常習性便秘。
しかし、例えば中年以降の頑固な便秘の場合、大腸ガンを疑ってみることも必要です。現代は 2人に1人がガンになる時代 です。できるだけ定期検診を受けたり、自分の健康に関心を持つことが大切だと想います。
そこで、自分の 便秘のタイプ を知り、それに応じた対策を立てましょう。
便秘になる原因についてはこちらのとおりですが、便秘には、大きく分けると器質性便秘と機能性便秘の 2 種類に分類されます。
器質性便秘 は、大腸の病気などの異常からくる危険な便秘ですので専門医の診療が必要になります。
一方の 機能性便秘 は、 便秘 で悩むほとんどの人がこちらのタイプで、機能性便秘はさらに、旅先などでおこる急性の 一過性単純性便秘 、慢性の 常習性便秘 に分けられます。
最近では、ストレスからくるといわれている 過敏性腸症候群 ( IBS )も話題となっています。
常習性便秘には、大腸の ぜん動運動 が弱くておこる 弛緩性便秘( しかんせいべんぴ )と、大腸の運動が強すぎておこる 痙攣性便秘 ( けいれんせいべんぴ )、そしてトイレを我慢するうちに便意がおこらなくなる「 直腸性便秘 」の 3 つのタイプがあります。
ただし実際には、機能性便秘の場合の便秘のタイプを調べる検査の方法はなくて、判別のつきにくいケースも多いのです。そんな理由から便秘になるとなかなか改善しない人が多いです。
常習性便秘 3タイプ
弛緩性(しかんせい)便秘
大腸の緊張が緩んで、蠕動(ぜんどう)運動が弱いためにおこる便秘。お年寄りや体力のない人、ダイエットをしている人、お腹がはりやすい人、女性に多いです。生活や食事を変えて、便秘を解消しましょう。
痙攣性(けいれんせい)便秘
大腸の運動が強すぎてけいれんを起こすために、便の通過が妨げられて起こる便秘。コロコロした便が出たり、左下の腹痛があったりします。便秘薬を飲むとかえって下痢や腹痛を起こすことがあるので、まずは、医師の診断を受けるのがよいでしょう。
直腸性便秘
便意をガマンしているうちに、直腸の神経が鈍くなって排便反射が起こらなくなってしまう便秘。便意を感じたら、チャンスを逃さないことが大事。このタイプも、生活や食事を変えて自分で治す努力をして便秘を解消しましょう。会社に行く前は便意があったのに会社に着くと便意がなくなってしまう人がいます。
一過性単純性便秘
環境が変わったり、精神的な影響を受けたことにより起こる一時的な便秘です。元の生活などに戻れば自然に解消されるので、心配いらないでしょう。
過敏性腸症候群
便秘と下痢を交互に繰り返しているという人もいると思います。これは、精神的ストレスが原因で起こるといわれていて、腸の運動機能が異常に高まって便通異常や腹痛を起こすものです。ただ、便秘の症状だけが現れることもあるので、単なる便秘と区別するのが難しい人もいます。
まずは、専門医の診断を受けましょう。
過敏性腸症候群について詳しくはこちら
女性に最も多いのは「直腸性便秘」
3つの常習性便秘の中でも、女性に最も多いのが直腸性の便秘です。便意をもよおしても、人前でトイレに立つのが恥ずかしかったり、忙しくて、ついトイレに行く機会をのがしてしまい、気がついたらもう便意がなくなっていたなど、経験がある人は多いでしょう。
これが何度もたび重なると、やがて常習性便秘となってしまうのです。便意をもよおした時をのがさないようにして、少しでも便秘を解消したいですね。
ほかの病気と関係した便秘 について
便秘には、何かの病気が原因となって便秘を引き起こしている場合があります。自分の便や症状の観察を習慣にして、気になることがあれば早めに病院へ行きましょう。
器質性便秘
先天的、後天的な大腸の異常や病気によって起こる便秘のことをいいます。大腸ガンによる便秘もこれに含まれます。大腸の病気がある人は専門医の治療が必要です。
症候性便秘
大腸以外の病気のひとつの症状として起こる便秘です。大腸の病気ではないけれど、脳梗塞、うつ病、甲状腺機能低下症、糖尿病、心疾患など何らかの病気が原因と考えられます。これも専門医の治療が必要です。
薬物性便秘
これは、常用している薬に大腸の運動を抑制する副作用があるために起こる便秘です。抗コリン剤、抗うつ剤、抗パーキンソン病剤、降圧剤、利尿剤などを常用していて便秘があるという人は、主治医に相談をしましょう。
症候性便秘かも、と思ったら専門医の診察を受ける
例えば急性の便秘では、腸閉塞を起こしていたり、腸捻転が原因のこともあります。また、慢性的な便秘では、大腸ポリープや大腸ガンができていたり、女性なら子宮筋腫が腸を圧迫しているのが原因となっていることもあります。逆に便秘が、これらの病気の誘因となることもあるのです。
自分の便や症状をよく観察して、次のチェック項目のうち、あてはまる症状があったり、気になるようなことがあれば、早めに病院で診察を受けましょう。できれば、消化器専門の医師にかかるのがいいでしょう。
- おなかがすごく痛い、または吐き気がすることがある
- 便の形が不ぞろいになっている
- 便に血液や粘液が混じっている
- あまり便秘をしたことがなかったのに、最近急に便秘になった
- 幼児期から便秘が続いている
- いろいろ工夫しても、なかなか便秘解消しない
- どうしても下剤を使わなくては、便通がない
便秘のタイプと原因・対処法まとめ
常習性便秘 ― 生活習慣による慢性的な便秘
1. 弛緩性(しかんせい)便秘
原因:大腸の緊張がゆるみ、蠕動運動(ぜんどう)が弱まることによって起こります。
特徴:便が腸内に長くとどまり、水分が吸収されて硬くなります。
なりやすい人:高齢者、体力のない人、ダイエット中の人、女性など。
対策:適度な運動を行い、食物繊維と水分をしっかりとることが大切です。
2. 痙攣性(けいれんせい)便秘
原因:腸の動きが強すぎてけいれんを起こし、便の通過が妨げられることによります。
特徴:コロコロした便が出たり、左下腹部の痛みがあったりします。下痢と便秘を繰り返すこともあります。
注意点:刺激性の下剤を使うとかえって悪化する場合があります。
対策:まずは医師の診断を受け、ストレスの緩和にも努めましょう。
3. 直腸性便秘
原因:便意を我慢する習慣により、直腸の反射が鈍くなることが原因です。
特徴:便意を感じにくくなり、排便のタイミングを逃してしまいます。
なりやすい人:特に女性に多く、忙しさや恥ずかしさからトイレを我慢してしまうことが要因になります。
対策:便意を感じたらすぐにトイレに行く習慣をつけることが大切です。
女性に最も多いのは「直腸性便秘」です。便意を感じたときに我慢せず、自然な排便のリズムを大切にしましょう。
一過性単純性便秘
原因:環境の変化や旅行、精神的ストレスなどによって一時的に起こる便秘です。
特徴:生活が落ち着けば自然に改善することが多く、心配はいりません。
過敏性腸症候群(IBS)による便秘
原因:精神的ストレスにより腸の運動機能が異常に高まり、便秘や下痢が交互に起こる場合があります。
特徴:便秘と下痢を繰り返すタイプや、便秘だけが続くタイプがあります。
対策:自己判断せず、消化器内科などの専門医に相談することが大切です。
病気や薬が関係する便秘
1. 器質性便秘
原因:大腸の構造的な異常や疾患によって起こります。大腸がんなども含まれます。
対策:早期発見・早期治療のために、専門医の受診が必要です。
2. 症候性便秘
原因:大腸以外の病気の症状として現れる便秘です。
例:脳梗塞、うつ病、甲状腺機能低下症、糖尿病、心疾患など。
対策:原因疾患の治療を優先し、医師の指導に従うことが重要です。
3. 薬物性便秘
原因:服用している薬の副作用によって腸の働きが抑えられる場合があります。
代表的な薬:抗コリン剤、抗うつ剤、抗パーキンソン病薬、降圧剤、利尿剤など。
対策:便秘が続く場合は、主治医に相談し、薬の種類や量を見直してもらいましょう。
受診を検討すべき症状
次のような症状がある場合は、消化器専門医の診察を受けるようにしましょう。
- 強い腹痛や吐き気がある
- 便に血液や粘液が混じっている
- 便の形が細くなる、または不ぞろいになる
- 以前は便秘がなかったのに、最近急に便秘になった
- 幼少期から便秘が続いている
- 生活習慣を見直しても改善しない
- 下剤を使わないと排便できない
まとめ
便秘には、生活習慣によるものと病気が原因のものがあります。女性に多い「直腸性便秘」は、便意を我慢しないことが最大の予防策です。
また、便秘が急に起こったり、血便や腹痛を伴う場合は、放置せず早めに医療機関を受診しましょう。
日常生活では、バランスの取れた食事、水分補給、適度な運動、そして排便習慣を整えることが、便秘の改善につながります。