お通じのしくみ に関する情報です。
お通じは大腸だけの働きでおきるわけではなく、脳や神経など、全身の機能がフル稼働して初めて排便ができます。私たちが食べたものが便となって排泄されるまでの流れは、次のようになっています。
お通じのしくみ 便ができるまでの流れ
- 胃で消化
- 私たちが食事をして食道から胃に入ってきた食べ物は、およそ4時間ほどかけて消化されます。
- 小腸で栄養を吸収
- 小腸では、7~9時間もかけて栄養分が吸収されます。
- 大腸へ送られる
- 消化吸収が終わると、不要となった食べ物のカスが小腸から大腸へ送り込まれます。この時点では、便はまだ液状です。
- 便の固形化
- 腸の蠕動運動( ぜんどううんどう )で送られていくうちに、便はだんだん固形化していきます。
- 一気に直腸へ進む
- カスから姿を変えた便はいったん 下行結腸 に蓄えられますが、一定量たまると一気に直腸へと送り込まれます。
- 脳が便意をキャッチ
- 便の刺激により直腸内の圧が高まると、便意が脳に送られます。
- 脳から排便の指令が出る
- 脳が指令を出すことによって、直腸が収縮し、おしりの 肛門括約筋 がゆるんで排便されます。
それでは、食べ物を口に入れてから便となって排泄されるまでの様子を細かくみてみましょう。
消化・吸収されてやがて便になる
人の口から腸を通って肛門までの距離は、約9メートルもあるといわれています。
私たちが食べたものは、この道筋を旅するあいだに、まずは胃で消化されます。続いて小腸で栄養分が吸収され、そのカスが大腸に送り込まれます。このカスは、最初はまだ液状ですが、大腸の 蠕動運動 ( ぜんどううんどう )によって少しずつ先へ送られていくうちに、しだいに水分が体内に吸収されて固形化していきます。そして、腸内細菌によって分解され、便特有の臭いになります。
蠕動運動( ぜんどううんどう )とは?
蠕動運動 とは、胃や腸などの筋肉が収縮して、食べた物を移動させる動きのことをいいます。そして、蠕動運動がうまくいかないと便秘になりやすくなってしまいます。この蠕動運動を活発にするには、運動するのが良いといわれています。
ちなみに便秘は、蠕動運動のほかに便の質にも影響を受けます。便秘を解消するには、次のような食生活を心がけましょう。
- 食物繊維をたくさん摂る(便のかさを増す)
- 水分をしっかり摂る(便をやわらかくする)
- ある程度の脂質を摂る(便のすべりが良くなる)
便意 は 胃・結腸反射 によって起こる
食べ物のカスから姿を変えた便は、腸の一部、 下行結腸 ( かこうけっちょう )とよばれるところにひとまず蓄えられます。この下行結腸に一定量の便がたまると、大腸の大きな 蠕動運動 ( ぜんどううんどう )が起こって、ひとかたまりの便が一気に直腸へと送り込まれます。
この 蠕動運動 は、朝食後の「 胃・結腸反射 」によって起こります。「 胃・結腸反射 」とは、食べものを食べて胃がふくらむと、その刺激が大腸に伝わり、反射的に大腸が蠕動運動を起こして便を押し出す働きのことです。
ですから、胃・結腸反射 が起きなければ、便はいつまでも下行結腸にたまったままということになります。 胃・結腸反射 は朝に一番起こりやすいので、この反射を起こすためには、朝食をきちんと摂ることが大切になるのです。
下行結腸( かこうけっちょう )とは?
下行結腸 は、大腸の 上行結腸 、 横行結腸 に続き、結腸の4つの部位のうち、3つめの部位で、人体の断面図を正面から見たとき、右側に位置する結腸部分です。下に向かってのびているため、また便が下に行く結腸であることから、 下行結腸 といいます。
便が 下行結腸 に至る頃には、ほとんどの水分が吸収されて固型状となっています。
さらに、水分や電解質の吸収をしながら4つめの S状結腸 、そして 直腸 へと便が送られます。
大脳が 排便 の指令を出す
便が直腸へ一気に送り込まれてくると、その便のかたまりで直腸内の圧が上がり、腸壁が刺激されます。そして、それが 便意 として大脳へ伝えられます。便意をキャッチした大脳は、排便の指令を出します。
それにより腹筋が収縮して腹圧を上げます。続いて 直腸 も収縮し、 肛門括約筋 ( 排便する際に肛門を広げたり縮めたりする筋肉のこと )がゆるんで便が体外へ排泄されます。
人がものを食べてからここまで来るのは 24 ~ 72 時間後くらいなので、3日以上お通じがない場合は、 便秘 と考えられます。
排便 までの一連の流れはこういった感じです。
排便があったとしても、腸の健康状態によって便の硬さは違ってきます。
良い便をつくるには、腸内に 善玉菌 を増やし、腸内環境を整えることが大切なのです。
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