腸内環境を整え免疫力向上、便秘、ガン、糖尿病、アトピーを防ぐリンゴは万能薬

中性脂肪や有害重金属に吸着し体外に排出する

以前から、果物の栄養や機能性を研究し、その優れた健康効果に魅了されてきました。私自身、朝はリンゴやバナナなどをよく食べますし、体調を崩してしまった方々にもお勧めしています。今の季節、旬でおいしいリンゴがお勧めです。リンゴは昔から、「医者いらず」といわれるほど、健康効果の高い果物です。子供のころ、カゼをひいたりお腹を壊すとすりおろしリンゴを食べた方も多いと思います。

熱があって食欲がなくても、すりおろしたリンゴなら抵抗なくとることができます。そして翌日には、カゼの症状が軽快したものです。消化器の分野ではリンゴは腸をきれいにして腸内環境を整えてくれる、おなかに優しい果物として人気です。

リンゴの健康効果は、世界各国の研究で次々と解明されてきました。リンゴには次のような、すばらしい成分が豊富に含まれています。

リンゴペクチン

リンゴペクチンは水溶性の食物繊維です。大腸で善玉菌のえさになって善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを整えます。また、便のかさを増し、便通を促進してくれます。

こうして腸内環境がよくなれば、便秘や下痢、過敏性腸症候群など、腸の病気の予防・改善につながります。免疫の働きの約70%は、腸内細菌が築いているといわれます。腸内環境がよくなれば、免疫力が高まり、ガンの予防も期待できます。

大腸ガンについては、リンゴの研究で知られる富山大学医学部の研究グループが、リンゴペクチン20%入りのえさをラットに与えたら、ガンの発症率が半減したという報告もあります。また、リンゴペクチンは胃液と混ざって粘度を高めます。すると、食べた物がゆっくり胃から腸に送られるようになるので、血糖値の急激な上昇が抑えられます。

さらに、中性脂肪や有害重金属などに吸着して、体外に排出する作用もあります。つまり、リンゴに多く含まれるペクチンは、糖尿病や脂質異常症などの予防・改善にも効果が期待できるのです。

シミやくすみを防ぎ美白効果も期待できる

リンゴポリフェノール

リンゴポリフェノールは植物由来の機能性成分で、赤いリンゴの果皮に多いアントシアニン、果肉に多いプロシアニジンのほかにも、果皮と果肉にはエピカテキンなどが含まれています。いずれも強い抗酸化作用を持ちます。

抗酸化作用とは、細胞や脂質を酸化し傷つける、活性酸素を消去する働きです。ですから、ポリフェノールの豊富なリンゴをとると、細胞の老化を抑制し、ガン、動脈硬化、脳卒中などの生活習慣病の予防・改善に役立ちます。

ポリフェノールには、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンを抑える働きもあり、ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症なども防いでくれます。また、日本体育大学大学院の研究では、ポリフェノールには内臓脂肪を減少させて、筋肉を増強する作用のあることもわかっています。さらに、体内で発生するメラニンを抑制するため、シミやくすみの防止、美白効果も期待できます。

カリウム

カリウムは、体内で過剰になったナトリウムを排出し、血庄を下げる作用があります。弘前大学の研究で、リンゴをよく食べる人は高血圧になる人が少ないこともわかっています。

有機酸とビタミンC

リンゴのさわやかな酸味は、リンゴ酸やクエン酸などの有機酸によります。有機酸は、エネルギーの元を作るクエン酸回路を回して細胞の代謝を活性化し、疲労の回復を早めます。脂肪の燃焼も促進されるので、ダイエット効果も高まります。

また、リンゴをとると血中のビタミンC量が増えることもわかっています。リンゴに含まれるビタミンCは、あまり多くはありません。リンゴに、ビタミンCの体内への取り込みを促す成分が含まれているためだと考えられます。ビタミンCが増えれば、免疫力アップ、疲労回復、美肌などへの効果も期待できます。

リンゴは食物繊維が多いので、1個食べると満腹感があります。朝や食事の前に食べれば、食事の量を減らせて、ダイエットにも有効です。リンゴはきれいに水洗いして、皮付きのまま食べてください。皮にはポリフェノールだけでなく、リンゴペクチンも豊富に含まれています。

ときには煮たり焼いたりして食べてもいいでしょう。加熱すると、ペクチンの活性酸素を処理する能力が著しく高まります。甘みも増します。一方で加熱すると、ビタミンCのように壊れる成分もあります。生で食べたりすりおろしたり、いろいろな食べ方を楽しんでください。

ヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品といっしょにとると、乳酸菌と食物繊維の作用で、さらに腸内環境がよくなります。食べる量は、1日半個から1個が目安です。毎日のリンゴで腸の健康を保ち、病気を遠ざける生活を送ってください。

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