色の濃い穀物で食物繊維をたくさん摂る

ごはんが好きな人、パンが好きな人もいるでしょうが、1日3食の食事で、みなさんは主食には何を食べていますか?
ごはん、パン、めん類といった穀物には、食物繊維が豊富に含まれています。毎日食べる主食で腸を元気にしましょう。

栄養たっぷりの玄米ごはんを食べよう

白いごはんが大好きで普段から白米を食べているという人は、たまには玄米や胚芽米のごはんにしてみては?白米(精白米)は、玄米を精米機にかけ、まわりに付いている糠(ぬか)や胚芽が削られて白くなったお米です。玄米と白米を比べるとエネルギーはほとんど変わらないのに、食物繊維のほかにも、カリウムやマグネシウム、リン、鉄、ビタミン類の栄養が、玄米のほうがたくさん含まれています。精白することで捨てられてしまっている部分の栄養価が見直されるようにはなりましたが、せっかくの栄養が削り取られている精白米ではもったいないです。玄米を炊いたごはんは白米のごはんよりも歯ごたえがあり、よく噛んで食べることから、唾液の分泌量が増えて胃や腸での消化が促進されます。

麦や稗(ひえ)、粟(あわ)といった雑穀にも栄養成分が豊富に含まれているので、このような雑穀を白米に混ぜて炊くのも良いです。最近では、いろいろな種類の雑穀をミックスした雑穀ごはんの素が販売されていますから、こういったものを利用することで、いつもの主食でも食物繊維を豊富に摂取することができます。

発芽玄米はとても優秀

玄米を1ミリくらいに発芽させた状態の『発芽玄米』は、発芽する時の酵素の働きによって、玄米にもともと含まれている栄養成分が増えたり、玄米の状態だとじゅうぶんに消化吸収できない成分が発生します。雑穀と同様、発芽玄米を白米に混ぜて炊くことで、足りない栄養成分を補うことができるのです。発芽玄米にはGABA(ギャバ)という名で知られるγ(ガンマ)-アミノ酪酸が多く含まれていて、これには血圧やコレステロール値を下げるなどの働きがあります。

乳酸菌たっぷりの色つきパンが腸内環境を整える

自然発酵させた酵母と乳酸菌をたっぷり含んだ天然種を使ってつくる天然酵母のパン。何日か時間をかけてじっくり発酵させるのですが、発酵の過程で大量の乳酸菌が増え続けます。イースト菌を使った普通のパンと比べると乳酸菌の量は1万倍にもなり、ヨーグルトにも負けないくらいです。乳酸の働きで特有の酸味がありますが、日もちもします。この乳酸菌たっぷりのパンが腸内で善玉菌を増やします。

そして、やはりお米と同じように、白く精白された小麦粉を使ったパンよりも、殻ごと製粉された全粒粉パンや、フスマといわれる小麦の胚芽の部分が入っている胚芽パンのほうが、食物繊維やほかの栄養が含まれていて腸に効きます。

蕎麦は色が黒いほど食物繊維が豊富

日本の代表的な料理である蕎麦(そば)は、めん類の中でも食物繊維が豊富です。ソバの種子の中心から外側へいくほど食物繊維は多く含まれていて、色が濃く、香りも強くて歯ごたえがあります。更科そばに代表される白っぽい蕎麦には種子の中心の白い一番粉が使われ、田舎そばなど黒っぽい蕎麦には外側寄りの二番粉や三番粉が使われています。

それぞれにおいしいですが、腸のぜん動運動を活発にするには、色が黒く食物繊維がたくさん含まれるほうがおすすめです。蕎麦は血管を丈夫にするルチンが含まれていることでも話題になり、健康食としても注目されています。