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毎日の便で腸の健康状態をチェックする

おなかの中の調子は直接目で見ることはできませんが、「大事な便り」と書く大便がそれを教えてくれます。さらに、顕微鏡でなければ見えない腸内細菌のことも教えてくれる、とても頼もしいお便りです。
このお便りの読み取り方には、『ブリストルスケール』という国際的な基準があります。大便の視覚的な形状を硬さ別に7段階に分類したものです。

ブリストルスケールによる便の分類

  • タイプ1 コロコロ便
    硬くてコロコロしているウサギのふんのような便
  • タイプ2 硬い便
    ソーセージ状ではあるが、ゴツゴツした硬い便
  • タイプ3 やや硬い便
    表面にひび割れのあるソーセージ状の便
  • タイプ4 普通便
    表面がなめらかでソーセージ状またはヘビがとぐろを巻いたような便
  • タイプ5 やや軟らかい便
    はっきりしたシワがある、軟らかい半固形の便
  • タイプ6 泥状便
    境界がほぐれ、ふにゃふにゃした泥のような便
  • タイプ7 水様便
    固形物を含まない液体状の便

日本ではソーセージ状ではなくバナナ状とあらわされますが、このように、コロコロとしたもっとも硬い便がタイプ1、真逆の水様でもっとも軟らかい便をタイプ7として示されています。この7段階の分類のうち、健康な便といえるのはタイプ3、4、5 の3つ。タイプ1と2は硬すぎ、タイプ6と7は軟らかすぎです。

私たちが何かを食べて肛門から排泄されるまでにかかる時間は、通常、24~72時間ほどとされています。ですから、それよりも腸内に留まっている時間が極端に長ければ1のような硬い便に近くなり、反対に腸内を通過する時間が極端に短ければ7のような軟らかい便に近くなるのです。
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日本人の便の量は昔より減っている

腸内細菌の数は便の量と深く関係していて、便のおよそ半分は死んだ腸内細菌と生きている腸内細菌によって占められています。腸内細菌の数は、便の量を見れば一目でわかるのです。
時代とともに日本人の食生活は変化し、昔と比べると食物繊維の摂取量が減ったことが原因で、近年では、日本人の便の量が減っているという研究結果があります。便の量の減少とそれに伴う腸内細菌の減少は、私たちの食生活と深く関わっています。肉の摂取量が増え、野菜の摂取量が激減した現在、食生活の乱れのほかストレスの増加なども加わって、日本人の便の量は減り続けているのです。

自分の身体の免疫の要である腸。その健康管理のためにも、毎日の便の状態をきちんと把握することが大切です。

腸が元気になると免疫力がアップする

腸は、脳からの指令を受けなくても、胃から下りてきた食べものの成分を分析してほかの臓器から一番当てはまる分解酵素を出させ、勝手に食べものを消化吸収していきます。もし有毒なものが入ってきた場合には、多量の腸液を分泌して便をゆるくし、体の外へ排出しようとします。これが、いわゆる下痢であり、私たちの体の大事な防衛反応なのです。

そして、腸はいちばん異物に接触しやすい部分です。たとえば、寒い時期になると子供がよくかかる「嘔吐下痢症」という病気は、ロタウイルスやノロウイルスによって引き起こされますが、これは鼻や口から体内へ入り、胃の粘膜に感染するとあっという間に増殖して腸に達してしまいます。

腸と免疫力は密接な関係にある

腸管の粘膜やその周囲のリンパ管にはリンパ球がたくさん集まり、免疫系が活躍しています。腸の動きが速ければお腹が痛み下痢に、反対に動きが鈍いと便秘になります。

腸の動きがスムーズだと腸内環境が快適であるため、「セロトニン」というホルモンが分泌されます。脳内ホルモンとして知られるセロトニンですが、実はその多くは消化管に存在していて、腸は第二の脳とも言われ、精神状態と大きな関係があります。セロトニンは心の安定を保ち、人を快活にするホルモンなので、不足すると感情にブレーキがきかなくなり、うつや不眠、ひきこもりなどになりやすいのです。

つまり、腸の状態が良いと気持ちも上向きになり、免疫システムの中の最強戦士であるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)が活性化され免疫力が高まります。腸が若く健康であればあるほど免疫力は高く、腸年齢が若い人は脳年齢も若いという調査結果もあります。

このように、腸と脳と免疫は密接にリンクしています。免疫力との関わりから見ると、腸はストレスの影響を強く受けていることがよくわかります。

善玉菌を増やして腸を若く保つ

腸内で悪玉菌が増えると、発酵ではなく腐敗が進みます。腸内には相当な数の細菌の種類があり、それらは善玉菌、悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌の3つに分けられます。日和見(ひよりみ)菌というのは、腸内に善玉菌が多い時には善玉菌の味方をし、悪玉菌が多い時には悪玉菌の味方をする、どちらにもなりえる腸内細菌です。
悪玉菌はタンパク質を腐敗させて有害物質を発生させ、病気を引き起こします。一方、善玉菌は、腸内の働きを整えて便秘や下痢を防ぎます。また、善玉菌は悪玉菌の活動を抑制し、悪玉菌が生み出した有害物質を中和します。

腸内細菌のバランスの良さを考えたときの理想は、悪玉菌がいない状態です。しかし、悪玉菌は善玉菌よりも種類が多く生命力もはるかに強いので、現実にはこれは無理なことです。年齢とともに善玉菌はだんだん減少して、悪玉菌が増加していきます。

女性は便秘になると肌が荒れたり、ハリやツヤがなくなったりすることがよく指摘されますが、美肌のためには、外側から手入れをする前にまずは体の内側から変わらなければなりません。つまり、腸の状態を若々しくすることが大切なのです。

年齢を重ねたら、なおさら若い時よりも腸内環境に気をつけて、善玉菌を増やし悪玉菌を減らしていくようにしましょう。
悪玉菌を抑えて腸の不快な症状を解消するのは、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌です。

善玉菌が生み出した乳酸菌発酵エキス、腸内環境を整える『善玉元気』

腸の健康を脅かす腹部膨満感

健康な腸の妨げとなるものといえば、便秘が挙げられます。便秘は、ホルモンや筋肉量の関係から男性よりも女性のほうがなりやすい傾向です。現代では、女性の2人に1人は便秘に悩んでいるといわれています。
便秘には何らかの病気が原因となって起こるものもありますが、ほとんどの場合が腸の機能が低下することによる便秘です。

便秘が続くとさまざまな不快な症状が出てきますが、おなかがガスでパンパンに張ってしまう「腹部膨満感」もそのひとつです。

便には、食べかすのほかにも多くの老廃物が含まれています。こういったものが便秘をすることによって体内に長時間留まれば、腸内環境はまちがいなく悪化します。
私たちの腸内には、善玉菌と悪玉菌、そしてどちらか優勢なほうに傾く日和見菌(ひよりみきん)という菌が棲んでいますが、腸内の善玉菌が減る一方で、どちらにも傾く可能性のある日和見菌が悪玉菌へと変化してしまうのです。このように、便秘によって腸内細菌のバランスが乱れます。
悪玉菌が増えると、インドールやスカトールなどという老廃物が多くなって、腸内環境はますます悪化していきます。そして、また便秘もひどくなるという悪循環に陥ってしまいます。

老廃物が腸の中に留まることによって、腹部膨満感が起こります。普通なら便と一緒に排出されるはずのガスが溜まっておなかが張り、苦しくなります。ひどくなると腹痛を起こしたり、下腹部が重くてだるくなる人もいます。

おなかが張って苦しさを感じるときには、だいたい2~3リットルのガスが溜まっていると考えられます。腸の働きが低下している場合、S状結腸と呼ばれる部分に便が溜まってくると、その便がまるでフタをするように、ガスが排出されにくくなります。

さらに、溜まったガスが胃を圧迫して、吐き気や胸やけ、食欲不振などを起こすことがあります。また、こうした症状が悪化し逆流性食道炎が起こることもあります。
女性の場合、月経前になると女性ホルモンである黄体ホルモンの分泌が増えるのですが、その影響により腸の運動が低下して、腹部膨満感が起こる人もいます。

実際、腹部膨満感が解消したことで、下腹が何センチメートルかへこんだという人もいて、腸内の老廃物が無くなると有毒ガスの産出を抑えることもできて、下腹部の膨満感は消えるのです。

腹部膨満感を解消するには、腸を動かすことです。運動をおこなって外から腸に刺激を与えることが大切ですし、食事で腸の運動を活発にして腸を中から動かすことも必要です。
運動はハードルが高いという人、デスクワークなどで座りっぱなしだという人は、立ち上がって少し歩くだけでも違ってきます。

おなかが張って苦しいのもつらいけれど、腸に悪玉菌が増えて肌が荒れるのもイヤなものです。
腸と美肌の関係はこちら

食養腸の重要性

腸のことを知れば知るほど、昔の自然療法の考え方が私たちの腸にはよく合っているように思います。添加物のない食物繊維豊富な食材をよく噛んで食べる、されに植物性の乳酸菌をたくさん摂るようにするなどが大事だとわかります。そして大事なことは腹八分目です。

日本には江戸時代に書かれた「養生訓」という本があります。これは当時の高名な儒学者である貝原益軒が書き、それは現代にも読み継がれています。

ちなみに貝原益軒は、満83歳9ヶ月という長寿をまっとうした人です。当時の平均寿命が今とは比べ物にはならないはど短かった江戸時代に、83歳とは驚異的な長生きともいえるでしょう。

『養生訓』では、養生の第一歩として「欲」に溺れず、万事少なめを心がけることが繰り返し書かれています。食欲、睡眠欲、性欲など、人間の欲は限りなく、放っておけばどこまでも拡大してしまうと論じられています。そして『養生訓』には飲食についての記載が細かく書かれているのも特徴のひとつです。

飲みすぎ、食べすぎは胃腸の健康を損なうとも明記されています。また「飲食は生命の養分」として、胃弱な人は生の魚を焼いて食べるとよいとか、大根、にんじん、かぼちゃなどは薄切りにして煮るとよい、など、具体的な調理法も書いてあります。

この『養生訓』に記されている健康法は、貝原益軒自身体験から生み出されたものではありますが、人間の存在や心理、さらに世の中の動きなどを鋭くとらえて、健康と結びつけていることが偉大なのです。

簡単にいえば、食べ物や食べ方が、その人の健康を左右するばかりか、生き方や運命にも影響すると示唆しています。また漢方の世界では古くから「食養生」といい、「食べたものこそが命を養う」という考え方がありました。そこで、多くの消化器系の専門医は、腸に特化して「食養腸」という考え方を推奨しているのです。

この「食養腸」は、食生活に多くの変化を繰り返してきた現在の日本において、貝原益軒の「養生訓」を実践するのは至難の業です。そこでまず腸の健康をよくする「食養腸」から始めましょう、という提案なのです。

またこの「食養腸」を意識し、腸の状態を改善することによって、それは全身の健康にもつながっていきます。体調が整えば、気持ちも元気になっていき、仕事や人間関係、趣味などにも前向きに取り組むことができるようになるのではないでしょうか。

この「食養腸」を実現する具体的な食材、調理方法やレシピ、食生活のヒントなどがあります。「食養腸」は、もちろん長寿のベースを作るものです。「食養腸」なくして、腸寿の実現は不可能。それほど大切な考え方です。

排便はタイミングがとても大切

寝ている間に開いていた骨盤がだんだん閉まっていき、活動モードになると目が覚めます。骨盤が閉まると、骨盤内の容積は小さくなるので、その中にあるうんちに気づきやすくなります。つまり便意を感じやすくなるのです。
朝の排便のタイミングを逃すと、再び骨盤が開き次の閉じるタイミングまで気づけないということになってしまいます。

また、昼間は、実は排便には適さない時間帯でもあります。なぜなら、夜行性以外の野生動物は、昼間は狩りをして食べものを探し、夜は自分の寝床で食べたものを排泄します。これを人間に置き換えると、人が昼間すべき狩りというのは、「仕事」のことです。

動物が自分の居場所を知られないために狩りの最中に排泄しないように、人間も闘いのまっただ中である仕事中だと、安心して排泄ができません。ただ、野生の動物は排泄を我慢することはないけれど、人間は違います。しかも、その行為を他人に見られたくないという気持ちが強くあります。

排泄行為を他人に見られたくないというのは、いち動物である人間の中に、潜在的にある抵抗感です。でも、からだのためには、昼間でもどこでも便意を感じたらそれは大きなチャンス。せっかくだから出してしまいたいものです。
だから、普段から自分の家と同じくらい、リラックスして排泄できる場所、つまり特定のトイレを見つけておくことがとても大事。これは「自分のテリトリーをつくる」ということと同等です。たかがトイレの場所とあなどらず、安心して排泄できる場所を探すことによって、「3日間リセット」の効果を、より実感できるはずです。
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