急増している糖尿病は 腸内フローラ に働きかける薬で改善

糖尿病と 腸内フローラ に働きかける薬に関する情報です。

腸内細菌が出す物質 フローラ健康科学研究所 善玉元気 のように 腸内環境を整える短鎖脂肪酸 の力は、病気の治療にも活かされはじめています。

ターゲットは生活習慣病の代表格、 糖尿病 です。2017 年の調査では、糖尿病患者数は前回の調査( 2014 年)から 123,000 人も増えて、過去最多の3,289,000人になりました。 2017 年というと 4 年前の調査ですから、現在ではもっと増えていると考えられます。

糖尿病は 腸内フローラ に働きかける薬で改善

糖尿病は 腸内フローラ に働きかける薬で改善

糖尿病 は、血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、次第に全身の血管が傷つけられていく病気です。特に細い血管である毛細血管が多い腎臓はダメージを受けやすく、老廃物を濾し出す機能が失われると、人工透析をおこなう必要があり、このため病院に通う生活となります。大抵の人が、1 日おきに 3 ~ 5 時間かけて機械によって血液を浄化しなければいけないのです。また、目の網膜の血管が破れて失明したり、足が壊死して切断を余儀なくされることもあり、最終的には命に関わる事態につながっていきます。

健康診断で血糖値がひっかかったこともないし、太ってもいないし、自分は大丈夫! … そんなふうに思っているあなたも、油断はできません。初期の糖尿病は、一般的な健康診断では発見できないケースが多いのです。糖尿病と共に急増している、いわゆる 糖尿病予備群 の可能性があります。
最新の研究では、 糖尿病予備群 になっただけでも、がんや認知症になるリスクが大幅に上がることもわかってきました。若い世代での糖尿病患者が増えているという報告もあり、誰にとっても、糖尿病は他人事ではありません。

糖尿病の最大の原因とされているのが 肥満 です。脂肪細胞が肥大化すると、血液中にさまざまな有害物質を出し、血糖値をコントロールする体の機能を壊してしまうことが知られており、肥満を改善することは糖尿病治療の基本とされています。

そこで、天然のやせ薬 である 「 短鎖脂肪酸 」 の出番となります。この 短鎖脂肪酸 は、私たちの腸内でつくられる物質で、健康な体を維持するために重要な働きをしているものです。さまざまな研究から、糖尿病患者の 腸内フローラ では、 短鎖脂肪酸 の生産力が落ちていることがわかってきました。

「 短鎖脂肪酸 」 の生産力を復活させ、肥満を改善すれば、糖尿病も治せるのではないか? と、多くの医師や製薬会社が研究に乗り出しています。そして、ついにその成果が出はじめたというのです。

人間に効く薬から  腸内フローラ に効く薬が糖尿病を治す時代

2014 年、アメリカのあるベンチャー企業が開発した糖尿病の新薬が、臨床試験で成功を収めました。まだ小規模な試験であったにも関わらず、 科学雑誌『ネイチャー』 で紹介されるなど、世界で大きな話題となりました。それは、その新薬が「人間に効く薬」 ではなく、「腸内フローラに効く薬」だったからです。マイクロバイオーム という言葉があり、これは人体にすむ細菌全体を指しますが、腸内細菌の数が圧倒的に多いため、欧米では、 腸内フローラ とほぼ同義に使われることもあります。

天然のやせ薬 としての効果だけでなく、なんと、糖尿病を直接的に改善する効果もあるのです。短鎖脂肪酸 には、腸の細胞を刺激して インクレチン と呼ばれるホルモンを分泌させる力があります。 インクレチン には、すい臓に働きかけてインスリンの分泌を促す効果があり、糖尿病治療薬としても使われている物質です。

この新薬によって、 腸内フローラ での 短鎖脂肪酸 の生産量が増加し、 インクレチン が出やすくなり、インスリンの分泌も活発になったと考えられます。もちろん、長期的には 短鎖脂肪酸 の「やせ薬効果」も効いて、肥満が改善していく可能性はじゅうぶんにあり、そうなれば糖尿病はさらに良くなっていくと予想されます。

このように 腸内フローラ の研究が 糖尿病 の治療に革命をもたらすと考えてられています。医学の進歩によって、糖尿病は適切な治療さえ受ければ進行をかなり遅らせることができるようになってきました。しかし、糖尿病の克服にはまだ至らない状況です。新しい薬はどんどん開発されていますが、副作用は伴うものです。その点、腸内細菌をターゲットにした今回の薬は、すべて食品成分を原料としていることから副作用の心配が少なく、安心して処方できる体に優しい薬だと期待されています。この薬ならば、本格的な糖尿病になる前の予備群の人にも気軽に飲んでもらうことができ、予防にも大きな役割を果たすことになると期待が寄せられているのです。

腸内細菌に働きかけるという、まったく新しい治療のアプローチが見つかったことは素晴らしいことです。近い将来、腸内細菌をターゲットにした治療は、現在の治療法に並ぶ大きな役割を果たすことになるでしょう。腸内細菌を治療に活かすことで、人類が糖尿病を克服する日が近いのかもしれません。