日本人500万人が便秘で悩んでいる

百人百様の生活があるように、便秘の原因もさまざまで中には習慣で飲んでいる下剤のために便秘が悪化していることもあります。

予備軍を含めると1000万人いる

現在便秘で悩む人は、日本中でおよそ500万人いるといわれています。しかし、潜在的には、約800万人から1000万人の人が、便秘に悩んでいると推定されます。特に、ダイエットなどで食事の量を減らしている若い女性と、腸のはたらきが低下した60歳以上の高齢者に多く見られます。

自覚症状があれば2~3日に1回でも便秘

「便秘」とひとことで言っても、下剤を使わなければ便が出ない人もいれば、4~5日も便意がない人もいます。中には、2~3 日に1度は排便があるけれども、「おなかが張る」「下腹部が痛い」などの自覚症状がある人もいます。「お通じがあるから、便秘ではない」と思いがちですが、2~3 日に一度排便があっても、自覚症状がある場合は、「便秘」といえます。

急性の便秘と慢性の便秘

旅行中に便秘になったけれど、帰ってきたら治ったという経験ののある人は多いでしょう。便秘には、旅行などの緊張感がストレスになって、一時的に排便が困難になる「急性の便秘」と、始終おなかが張る、腹痛がするなどの自覚症状を伴った「慢性の便秘」とがあります。急性の便秘は、生活が元に戻ってストレスがなくなれば、改善します。しかし、慢性の便秘は、なかなか改善しないため、下剤を常用することになります。それが習慣化すると、腸のはたらきが衰えて、自力では排便できなくなることもあります。慢性の便秘の人には、病院での適切な治療が必要です。

ほかの病気が原因になっていることも

多くの便秘は朝食をとらない、トイレを我慢するなどの生活習慣が原因の「常習性便秘」です。
しかし、時には大腸がんなどの病気が原因で起こる「症候性便秘」もあります。
大腸がんの危険信号はこちら

便秘には5タイプある

「排便をがまんしているうちに便意がなくなった」「下剤を常用しているうちに、自力で排便できなくなった」「ダイエットで食事の量を減らしているうちに、便が出にくくなった」などと、便秘の原因はさまざまです。
私は便秘を、原因と、障害が起こっている部位別に、「小腸」「結腸」「直腸・肛門」「食事」「ストレス」の5つのタイプに分類しています。例えば、排便をがまんしているうちに便意がなくなってしまった人は、「直腸・肛門タイプ」、下剤の常用によって便秘が悪化している人は「結腸タイプ」です。

便秘の改善は「腸プラス」の生活習慣と適切な医師の治療

生活の中の腸マイナスの要素を、便秘になったら、下剤を使う前に、腸プラスにかえていきましょう。停滞した腸を回復させるために、適切な医師の治療で腸プラスのものにかえます。
腸内リセットは、下剤を使わなければ排便できないような重い便秘には、効果がありません。そういう場合は、早めに胃腸科・消化器科などの専門医を受診してください。急に便秘になったときは大腸がんが疑われますから、すぐに受診しましょう。

小腸タイプ
  • クローン病などの炎症性弛緩が原因で起こる便秘
  • 抗うつ薬の副作用によって起こる便秘
結腸タイプ
  • アントラキノン系などの下剤を長期服用したことが原因で起こる便秘
  • 加齢によって腸管機能が低下して起こる便秘
直腸・肛門タイプ
  • 排便を我慢しているうちに便意がなくなって起こる便秘
食事タイプ
  • 1日2食やダイエットなどで食事量が減ったり、偏食をしたりして起こる便秘
ストレスタイプ
  • 心理的ストレスが原因で起こる便秘
  • 月経前症候群の症状として起こる便秘
  • 消化の悪い食事や有害金属などの物理的ストレスが原因で起こる便秘

【memo】下剤によって便秘を悪化させるケースも

慢性便秘の人は、便意を感じなくなっていることがよくあります。そういう人は、しばしば腸管が黒褐色になっていることを発見します。
これは、大腸メラノーシスといって、腸管にメラニンのような色素沈着が起こって、大黄、センナ、アロエなどのアントラキノン系の下剤を長期間服用することで起こる症状です。このような下剤は、代謝の過程で腸管に色素沈着を起こすのです。
自覚症状はありませんが、色素が腸の神経に影響して、腸の運動を低下させます。アントラキノン系下剤は安全な下剤とされ、日本の下剤市場の約70%以上を占めています。たまに飲む程度ならそんなに心配はありませんが、長い間、常用していると、上記のようなタイプの便秘症状が起こります。

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