脳のストレスは腸にも影響する

腸は独自の神経ネットワークのほかに、2000本の神経線維で脳ともつながっています。脳と腸は互いに影響し合うことも多い間柄なのです。

脳と腸を直結する2000本の神経線維

腸は、「第二の脳」によってコントロールされているだけでなく、「第一の脳」である脳にもコントロールされています。脳と腸は、約2000本の神経線維でつながれています。
この神経線維を介して、脳と腸は互いに指令を出し合っています。例えば、海外旅行に出かけて慣れない土地を歩くと、その緊張感から便秘になることがありますが、これは、「脳から腸へ」と影響しているのです。逆に、便秘になると気分がすぐれなくなるのは、「腸から脳へ」と情報が出されているためです。
このように、脳と腸とのはたらきには、「二方向性」の性格があるのです。

腸の活動をよくするのは副交感神経

自律神経は、私たちの意志とは関係なくはたらき、臓器などのはたらきを調節する神経です。眠っている間も呼吸し、血圧や体温などが一定に保たれるのは、自律神経があるためです。自律神経には、「交感神経」「副交感神経」の2つがあります。
交感神経は昼間、活動しているときにおもにはたらき、体温や血圧を上げたり、心拍数を増やしたりします。

副交感神経は、夜寝ているときやリラックスしているときにおもにはたらき、体温や血圧を下げ、心拍数を減らします。胃や腸などの消化器は、おもに副交感神経にコントロールされています(副交感神経のはたらきが強くなると、嬬動運動などの腸のはたらきがよくなります。
逆に、ストレスなどによって交感神経のはたらきが強くなると、腸のはたらきが低下して、ストレス腸から停滞腸になってきます。
副交感神経を優位にして、胃腸のはたらきをよくするには、リラックスできる音楽を聞いたりや半身浴などでリラックスするこが大切です。半身浴の効果はこちら

ストレスと胃腸の関係は昔から言われている

「断腸の思い」「胃が痛くなる」「はらわたが煮えくりかえる」など、昔から胃腸とストレスの関係を示す言葉がいくつかあります。
ストレスと胃腸の関係について言及した歴史は古く、古くは紀元前4~5 世紀に古代ギリシャの医師・ヒポクラテスが、ストレスによる情動の影響が体に変調をきたすことなどを記述しています。
19世紀のロシアの医師・パブロフは、食事の前に犬にべルの音を聞かせていると、ついにはベルの音を聞いただけで犬が唾液を出すことを発見しました。20世紀に入るとアメリカののキャノンが猫と犬を対面させると猫の胃液の排出や胃酸の分泌が減少することからストレスと胃腸が自律神経を介して深い関係にあることがわかりました。

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