腸は独自の神経ネットワークを持つ「第二の脳」

腸は脳に次いで2番目に神経細胞が多い臓器でもそのおかげで眠っている間も消化・吸収が進み、排泄の準備が整えられます。

脳に次いで2番目に神経細胞が多い腸

夜、寝る2~3時間前までに食事をすれば、腸は休まず働きます。食べたものは腸の中で消化・吸収されて、翌朝には排泄の準備が整えられています。
当然、睡眠中も腸がはたらけるのは、腸に独自の神経ネットワークがあるからです。体の中で神経細胞が最も多いのは脳の100億個ですが、腸には約1億個の神経細胞が存在します。そのため、腸は「第二の脳」といわれています。

また、腸は食べ物の組成に合わせて消化液やホルモンなどを分泌したり、免疫のはたらきで病原菌を退治したりしなければなりません。
これらの活動を、脳のはたらきを借りないでできるように、腸は独自の神経ネットワークを持っているのです。朝、冷たい水を飲むと嬬動運動が起こりますが、内視鏡検査で麻酔をかけて眠っているとき腸管に水をかけた場合、嬬動運動が起こる人もいます。これも、腸の「第二の脳」がはたらいている証拠です。
極端な場合、「脳死」になっても、「第二の脳」のおかげで消化・吸収などの胃腸の機能はほぼ正常に保たれます。

幸せホルモン「セロトニン」は腸の働きにも大きな影響を及ぼす

腸神経からは、脳神経に存在するすべての神経伝達物質榊経と神経の閏で情報夜襲け渡す物質) が存在します。
情緒の安定に役立ち、欠乏するとうつ病などの心の病気になりやすくなるとと言われるセレトニンもその1つです。腸管に食べ物が入ってくると、セロトニンは腸管全体に「嬬動運動始め!」の指令を出します。
セロトニンは、大豆、しらす干し、かつお、ごま、牛乳、バナナなどの食品に多く含まれるトリプトファンから腸で合成されます。
腸では全体の95%のセロトニンを作っていますがこれは脳には移行しません。

腸でのセロトニンの働き

  1. 食べ物が腸に入る
  2. 腸管の神経が食べ物の通過を感知する
  3. セロトニンが腸管全体に運動の命令を出す
  4. 腸の蠕動運動がはじまる

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