大腸ポリープには「良性」「悪性」がある

ポリープの直径が5mmm以上になると、がんになりやすいのでし切除手術が必要になります。

良性と悪性がある

ポリープというのはがんと混同されがちですがが、隆起している病変を「ポリープ」といいますから、その中には良性も悪性も含まれます。
ポリープは、「炎症性」「過形形成性」「腺腫性」の3つに分かれます。がん化の可能性があるのは、「腺腫性ポリープ」です。腺腫性ポリープの中でも、盛り上がっているものは「隆起型」、ほぼ平らなものは「平坦型」、陥凹しているものは「陥凹型」といいます。隆起型と平坦型には、良性の「ポリープ」と、悪性の「がん」とがあります。陥没型は、がんの確率が高いといわれます。良性のポリープでも、直径が5mm以上になるとがん化の危険が出てきます。

ポリープの発生頻度が高くなるのは40歳頃から

ポリープのほとんどは、老廃物が蓄積しやすい直腸とS状結腸に発生します。加齢とともに発生率が増え、50~60歳代では約3割の人に見つかります。
最近では若い人の発症率も高く、40歳代では、かなりの確率でポリープが見つかります。良性の過形成性ポリープや炎症性ポリープは、何らかの腸の炎症によって起こると考えられています。がんになりやすい腺腫性ポリープの多くは、肉食や脂肪の多い食事が大きくかかわっているのではないかと考えられています。

大腸内視鏡検査で早期発見が可能

ポリープの早期発見に最も効果があるのは、大腸内視鏡検査です。医療施設によっては、まず最初に注腸X線検査でポリープの有無を確認してから、大腸内視鏡検査に進むこともあります。
検査の結果、直径が5mm以上のポリープでは、多くの場合、内視鏡による切除手術を行います。ポリープがそれよりも小さい場合は、切除しないで1~3年間、様子を見ます。ポリープを切除した人は、切除しなかった人に比べて大腸がんの発生率が明らかに低くなる、という欧米の研究報告もあります。
厚生労働省の調査でも、ポリープを切除した人の5年以内のがん発生率は0.7% だったのに対して、切除しなかった人は5.2% と、7倍以上になっています。