そぞろ歩きが腸にいい

そぞろ歩きとは、特に目的もなく、気の向くままにブラブラと歩き回ることです。日本人は、日々忙しい方が多いせいか、そぞろ歩きと聞いてもピンとこないかもしれません。

しかし地中海沿岸地域では、午後から夕方にかけては、すべての家事や仕事から解放された時間になります。その時間を家族や友人、恋人とおやつを食べながら、そぞろ歩きをする習慣があります。

地中海の有名なリゾートのひとつであるスペインのマヨルカ島を訪ねると、午後から夕方にかけて、子どもから大人までそぞろ歩きを楽しんでいる光景を目にしました。

またイタリアでは日が沈む頃に、若者からお年寄りまでが街中に楽しげに繰り出して、そのような時間を心から楽しんでいるそうです。そぞろ歩きは、運動としての効果もありますが、何よりも楽しんで、おしゃべりをしながら歩くというのがポイントです。日本でも健康のためにウォーキングを行っている人がたくさんいらっしやいます。歩くことによって全身の血流がスムーズになって、こりや冷えの改善、ダイエットなどにも効果があることは知られています。

また歩かないと腸の働きは停滞してしまいます。腸の健康の観点からもウォーキングはおすすめです。しかしウォーキングは「目標-1日1万歩!」などと歩数計の歩数を気にしながら、義務的に行っている方が多いような気がします。

血流というのは、自律神経とも密接に繋がっています。歩いて血流がスムーズになると、副交感神経が優位に働き、リラックスモードに切り替わります。このリラックスモードに切り替わるのがポイントのひとつなのですが、

目標-1日1万歩!」と集中力を使うのがいただけません。それにはそぞろ歩きの考え方を取り入れるとよいのではないかと思います。また、〝ひとりだからそぞろ歩きができない″ と嘆くことはありません。例えば自分の好きな曲を聴きながら歩く、ひとりでも周囲の風景を楽しみながら歩く、という楽しむ心がリラックスに繋がるのです。

また腸にとっては、やみくもに激しい運動で身体を動かすのはおすすめできません。なぜなら運動は交感神経を興奮させるため、自律神経のバランスが崩れて、逆効果になってしまう場合もあります。気楽なそぞろ歩きで、心も腸もごきげん! 腸のための新習慣にしたいですね。

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